私は農家の生まれでした。

小さい頃は庭は日本庭園
家は茅葺の家
畳の部屋におくどさん
醤油味噌の匂いがする。
裏の畑に庭には大きな楠に柿、びわ、はっさく、夏みかん、蕗はゴロゴロ咲いていた。
ニワトリもいたらしい。
牛さんも馬さんも
蚕も飼ってたらしい。
私が物心ついた頃はヤギさんが二匹いた。

家の周りはみんな田んぼ稲刈りの後の藁の上でよく遊んだ。
田舎っぺでした。

主人と出会いいろんなものがびっくりの世界
私のお育ちとは全く違っていました。
その世界にどっぷりとはまってしまいました。
自分のお育ちを恥じるように
頑張って背伸びして
見るもの全てが勉強
わくわくドキドキ
結婚しても突っ走って新しいものを追っかけて

今、やはり。。。
身に染み付いた事は忘れていないようですね。

大きな旧家生まれだったことや
茅葺の家に育ったこと
大家族の中で育ったこと。
大自然の中で育ったこと。
耕運機の後ろのリヤカーに乗って土手を移動したこと。
何があってもそこらじゅうに、よもぎの血止
火傷したら庭からアロエ
五右衛門風呂に大きな蜘蛛
裏の細道には蛇
窓にはへっこ
いつもあんこいっぱいのお饅頭
酒粕はったい粉
上げるときりがない。
時代といえば時代かもしれない。


だけど、だけど今そんな生活が懐かしい

帰れと言われたらよう戻れないけど。
豊かな生活がしあわせとは限らない。

何も知らない方が、向上心があって
良いと思う。

今はネットでいろんなものが手に入るし見える。
そして飽きてしまう。
手にも入れてないのに、さも知ってるような、持ってるような感覚になってしまって、
知らない方がしあわせと感じる時もあると
今日この頃思うのでした。